みとべのできるかな

インデックス投資(株も)やってます。

【10年で繰上償還】日本株ロボットのAI運用投信

2009年に運用が始まった国内の古参のロボット運用投信、日本株ロボット運用投信が2019年3月13日に繰上償還となっていたことを知りました。

(繰上償還:予定されていた信託期間が終了する前に、投資信託の運用が終了してしまうこと)

longinv.blog103.fc2.com

国内株式のアクティブファンド(ただしデフェンシブ)

AI(人工知能)投信の先駆け的な存在でプログラムにより国内株を自動売買します。

株式と債券の比率は2013年で68.7%と17.6%、2015年で25.8%と40.8%、2017年で63.7%と17.3%、2019年2月で68%と0%なので時期により比率の変化が大きいです。

残りのその他は現金だと思いますが、現金比率も15%~60%前後に変動があり株式以外の比率が高いデフェンシブな運用が特徴です。上下共に動きが少なくなるため上昇相場では当然遅れを取ります

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2018年6月の運用報告書より

しかし一方で、大きな調整があった2018年1月以降の動きはTOPIXより少なく、デフェエンシブ運用の狙い通り下落を抑えた動きをしています

ちなみに、ウェルスナビ(WealthNavi)やテオ(THEO)のようなAIが最適ポートフォリオを組んで運用するロボットアドバイザー(ロボアド)とは運用の仕組みが異なります。

AI投資/AIファンド/AI運用/人工知能による投資 - ファイナンシャルスター

カブロボに運用をサポートしてもらう

ファンドの特色

わが国の株式を実質的な主要投資対象とし、複数のカブロボが機動的な売買を行うことで、中長期的な信託財産の成長を目指します。

ファンド内で稼動するカブロボは、カブロボ・コンテストで優秀とされたカブロボ等の中から、投資顧問会社であるトレード・サイエンス株式会社が選定し、同社がロボットの指示に基づき投資助言を行います。

投資環境の変化等に応じて、採用するロボットおよび各ロボットへの投資配分等の変更を行い、その局面で最適と考えられる運用を行います。

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2009年から2019年まで10年間運用

日本株ロボット運用投信、愛称はカブロボファンド購入手数料が3.24%(税抜3.0%)、信託報酬が年1.512%(税抜1.40%)、純資産額は743百万円(償還時)

国内相場が上昇し始めた2013年頃から日本株の指数であるTOPIXに負け続けて、コストも高く、不人気のために運用開始から10年目の2019年3月に繰上償還になってしまいました。

この投信を買ってはいませんが、カブロボ君達が妙に人間味があったので寂しくなりました

投資手法がカブロボにより違う

マネックスグループの子会社であるトレード・サイエンス株式会社が運用していたのでマネックス証券にカブロボの特設ページがあります(2018年6月に株式譲渡によりあかつき本社の子会社化)。早期償還されたので、そのうち特設ページも削除されるでしょうからスクショを取って残しました。

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カブロボ君たちが合体

カブロボ君たちは得意や投資手法がそれぞれあって、割安株、チャート分析、インベント、決算などの個人投資家の売買を連想させるものでした。

カブロボ君たちの組み合わせがファンド全体の運用になるので、マジンガーゼット(マスターロボット)に合体するイメージになってます。

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カブロボ君達はカブロボ・コンテストから選抜されたエリートでした。

2011年の下げ相場ではデフェンシブな動きで注目されたこともありました。

diamond.jp

カブロボ君達から学ぶこと

コンテストで選抜されて誕生したカブロボ君達、割安株とか逆張りとか投資スタイルは親近感を覚えます。そのカブロボ君達でも長期ではTOPIXに負けてしまいました。

ここから学ぶことは

  • コストがやっぱり高すぎた(銘柄の入れ替えとか売買の隠れコストもあるはず)
  • 債券と現金にも信託報酬1.5%が引かれるのは痛い
  • アベノミクスからの上昇相場とは相性が悪く、TOPIXに成績は大きく劣後した
  • カブロボによる株式の自動売買云々よりも、株式比率が控えめのデフェンシブ運用がトータルリターンを下げたと思われる
  • 逆に、2018年からの調整相場では下落率が低く、デフェンシブ運用が効果を発揮していた(狙い通り)
  • 頭が良さそうな人や企業が開発したロボットも、無敵じゃない

指数に勝ち続ける難しさ

カブロボ君達の投資スタイルは妙に人間っぽい。割安とか逆張りとか、相場に合わせて株式の比率を上げたり下げたり、個人投資家で同じようなことをする話をよく見ます。

人間っぽい動きとAIを合わせたようなカブロボ君達の成績が良くなかったということは、手数料のハンデを考慮しても、個人の運用で指数(インデックス)を上回り続けるのは至難の業、という印象を強く受けました。

個別株の投資は好きなんですけど、好成績を出し続けるのは、かなり難しそうです。

カブロボ君達は繰上償還になってしまいましたが、蓄積されたデータを生かして、新しい投資信託に応用して欲しいと思っています。