【2023年1月追記】
2014年の4月ぐらいからソーシャルレンディング(SL)投資を始めました。
2014年から2017年の間に、maneo、SBI、Lucky bank、LCレンディングのSL会社で運用して、2019年現在、SL投資は全て辞めました。
これまでやってみた、投資するファンドの仕組みや元本が返済される期間などを、まとめてみました。
- ソーシャルレンディング投資のリスク
- 事業者の信用リスク
- ファンドの貸し倒れリスク
- 気を付けるべき4つのポイント
- ファンドの運用のながれ
- 元本の返済は分割か一括かで表示の利回りが違う
- 早期償還はよくある
- 返済遅延の発生割合は低いが、貸し倒れの可能性が高まる
- 再投資の効率が重要、待機期間は短い方がいい
- 実質の利率を計算してみよう
- ソーシャルレンディング投資は控える予定
- ソーシャルレンディング会社が不安、信用できない
ソーシャルレンディング投資のリスク
ソーシャルレンディングでは5%や7%の利回りが予定されたファンドに、数万円の少額から投資できます。
ファンドとは事業者が集めた資金を使って行う事業のことです。ファンドの運用期間は数か月から2年ぐらいの幅があります。
個人は投資したいファンドを選んで出資しますが、仕組み上、個人はソーシャルレンディング会社に貸し付けをします。集まった資金を利用して、ソーシャルレンディング会社がファンドに貸し付けをします。
出資する個人はソーシャルレンディング会社を信用して投資しますので、まずは、ソーシャルレンディング会社が真っ当な事業者であることが重要です。
事業者の信用リスク
ソーシャルレンディング会社が個人から集めた資金を不誠実に使用すると、個人は貸したお金が返ってこない=貸し倒れになって損をします。
ソーシャルレンディング会社の財務状況や、資金を貸し付ける先の事業者の情報は限定的にしか得られません。
また、財務状況の情報が本当か、貸付先の事業者が失敗した時に、担保の売却などの対応を誠実にするかどうか、など、ソーシャルレンディング会社の信用に関する裏付けは、かなり不確実です。
ソーシャルレンディング投資で一番大切なのは、真っ当な信用できるソーシャルレンディング会社を選ぶことだと思いますが、情報が限定されて裏付けが不確実なために、本当に安心して投資できるソーシャルレンディング会社を選ぶことはかなり難しいと思っています。
そのソーシャルレンディング会社が、これまで期失や行政処分の発生があったかどうか、事前によくチェックしましょう。でも、過去にトラブルがなくても、将来に渡って大丈夫とは限りません。
ファンドの貸し倒れリスク
ソーシャルレンディング会社から貸し付けを受ける事業者は、銀行などの貸し付けより高い金利を払っています。
つまり、銀行からの融資を受けるには、何らかの理由で信用力が足りない事業者がソーシャルレンディング会社から融資を受けることになります。
ファンドの説明には「新規の事業であるため」とか色々書かれていますが、ようするに銀行に融資してもらえないので、仕方なく高金利のソーシャルレンディング会社から融資を受けて何とか事業をしようとしているのです。
なので、事業が上手く行かなくなってファンドに投資した資金が返ってこない=ファンドの貸し倒れリスクは、個々のファンド毎に必ずあります。
ソーシャルレンディング投資ではファンドの貸し倒れは一定の割合で発生することが前提です。
個人がなるべく安心して投資ができるように、ファンドには不動産やソーシャルレンディング会社の保証が担保として付くことがあります。ただし、この担保が本当に効力を持つのか、裏付けは不確実です。
気を付けるべき4つのポイント
投資する側は、ソーシャルレンディング会社の信用リスク、ファンドの貸し倒れのリスク、この2つに対応しなければいけないので、
- 真っ当な(信用できる)ソーシャルレンディング会社をいくつか吟味して選ぶ。
- 利回りが異常に高いファンドは避ける。ソーシャルレンディング会社が自転車操業、または貸し倒れのリスクが高いファンドの可能性あり。
- 不動産や保証の付いているファンドを選ぶ。
- ファンドの貸し倒れは一定の割合で起こることが前提なので、集中投資しない。できるだけ資金を分散して、複数のファンドに投資する。
この4つは、ソーシャルレンディング投資をするなら、気を付けるべきポイントです。
ファンドの運用のながれ
ファンドの説明に表示される利回りは参考程度に考えて、実際に受け取る利益はどの程度の利率になっているか、自分で計算することをお勧めします。
ファンドの運用イメージ
ソーシャルレンディング投資の基本の流れは、
- ファンドの説明を見て、投資するファンドを選ぶ、
- 申し込むと資金が拘束される、数日してファンドの運用が始まる、
- ファンドの運用が始まってから1カ月すると分配金が口座に振り込まれる、以降、毎月分配金が振り込まれる、
- ファンドの運用が終わるタイミングで元本が一括で返済される、
- 数日してから口座に元本が振り込まれる。
分配金の利率は投資元本に対する配当の利率で、税込み表示が多く、配当は雑所得扱いです。
ファンドの運用が終わることを「償還」、ファンドの償還時に全ての元本が一度に返金されることを一括返済と言います。
ファンドの運用期間は〇か月や〇年で書かれています。
実際の資金はファンドの運用期間より長く拘束されます、前後で1週間以上は長くなるイメージです。
元本の返済は分割か一括かで表示の利回りが違う
ファンドの説明に「元利金均等返済」と書いてあったら注意です。
元本一括返済は、毎月分配金を受け取り、ファンドの運用が終了した時に一括で元本が返済される仕組みです。
一方で、元利金均等返済は元本が毎月、分割で返済されます。運用している元本が毎月減っていくので、同じ分配金を受け取っているはずなのに、分母の元本が減っている分、高い利率が表示されます。
元本一括返済のファンドと同じ額の分配金を、元利金均等返済で受けとる場合、ファンドの募集時や運用時に見た目だけ利率が高く表示されますが、誤解しないように気を付けましょう。
下の図は事業者が運用している元本が分割返済で減っていくイメージを書いたものです。
受け取る分配金が同じでも元本が減っているために、表示される利率が高くなります。パッと見、高い利率のように感じますが、そんなことはありません。
出資する個人にとっては、元本に占める分配金全体の割合が実質の利益になるので、自分で計算して確認することをおすすめします。
ただし、元本が分割返済で早く返って来るメリットもあります。途中でファンドの運用が遅延や貸し倒れになった場合、返済された分の元本は被害を受けません。また、分割返済された資金は早く別のファンドに再投資できます。
早期償還はよくある
早期償還は運用期間が予定より短くなることで、めずらしくないです、SL投資ではよくあります。
ファンドが早期償還された場合、短くなった運用月数の分だけ分配金が減ります。
受け取る予定の分配金より少なくなってしまいますが、資金が早く返金されるので、別のファンドに再投資が早くできるメリットもあります。
ちなみに、銀行資金の融資までのつなぎを目的としたファンドでは、銀行から資金融資された時点でファンドは毎回、早期償還されます。シリーズ化されていると「今回も早く償還されるな」とわかります。
返済遅延の発生割合は低いが、貸し倒れの可能性が高まる
反対に、返済が遅延して運用期間が延長になると、貸し倒れになる可能性が高まります。
返済遅延の発生割合は少ないですが、たまに起こります。ただ遅れるならいいですが、問題は期失になった時です。
期失=期限利益の喪失と表示されることが多く、貸し付けを受けた業者が分配金や元本の分割返済が遅れて、期限までは元本を返済しなくてもよい利益=期限利益を失うことを示します。
つまり、約束通りの利子を払えないならルール違反だ、今すぐ借りた金を全額返せ!!という状況です。
しかし、利子の支払いや分割元本の返済が遅れているファンドは、事業が上手く行っていないので、一括で元本返済できるわけありません。
多くのケースで担保の売却や債権譲渡などの後処理に、ファンドの運用期間以上の長い時間がかかります。
この期間は出資した元本は拘束されたままです。元本が全額返済されるか、予定されていた利子は付くのか付かないのか、後処理が終わるまでわかりません。
再投資の効率が重要、待機期間は短い方がいい
ソーシャルレンディングで利益を出す重要なポイントは、再投資を効率よく行うことです。
ファンドが償還したら、資金を別のファンドに再投資します。数か月、または数年の運用期間が終わった直後に、投資しない待機期間がなるべく短くなるように再投資します。
再投資の効率が良いと、1年間の分配金を受け取る回数が増えます。
反対に、資金がどこにも投資されず、待機資金のままだと、再投資の効率が悪くなって分配金の回数が減ります。
実質の利率を計算してみよう
2014年4月から2015年8月まで、実際に得られた利率を計算してみました。
元本を分母に、分配金の利益と税金や手数料の損失と、各口座に入金してから現在までの運用期間から計算した全体の利率を計算すると、
2.5%、年率に換算すると3.2%
運用がまだ数か月と短いファンドもあるので、利率の計算はあくまで目安です。
ソーシャルレンディングのサイトにあるファンドの利率よりもだいぶ低いですが、実感としてはソーシャルレンディングの利率は2-3%の間です。
2017年までの利益をまとめた記事はコチラ↓
ソーシャルレンディング投資は控える予定
私が実感したソーシャルレンディングの利率(1年で2-3%)は、募集されたファンドで表示されている利率よりもかなり低いです。
それは、償還された投資元本や分配金を、新しいファンドに効率よく再投資できなかったのが主な理由です。
ファンドは選びたい、でもそうすると、効率よく再投資できません。 投資するファンドを取捨選択していると、どうしても待機期間が長くなります。
ファンドの募集は日中や夜によくあるのですが、仕事や育児で忙しくて、パソコンの前で待機することはできないし、したくありません。
人気のファンドは募集開始からクリック合戦が起こって、数分で満額成立して募集が終わり、投資したくてもできません。
そうすると、準備していた待機資金が、再投資されないままになり、資金効率が悪いです。
ソーシャルレンディング会社が不安、信用できない
またソーシャルレンディングの仕組み自体も、自分には合っていないと感じます。
Crowd Bankには投資していないのですが、電話で質問をしたことがあって、その時の電話の応対がとても適当でした。信用できる会社とは思えず、投資は控えています。
ソーシャルレンディング会社がファンドに付いている不動産担保の評価額の査定資料を公開していますが、その評価の真意は、会社を信じるしかありません。
実際に投資してみると、年間の利率が2-3%程度なのに、そんなリスクを負う必要性があるのでしょうか?
そんな風に色々考えた結果、今後の方針として、
- ソーシャルレンディング投資では無理に再投資はしません。
- ファンドの運用が終了する2016年以降は、投資する金額を減らします。
つまり、ソーシャルレンディング投資から徐々に撤退することを決めました。
2018年にラッキーバンクで貸し倒れを体験した記事はコチラ↓