みとべのできるかな

インデックス投資(株も)やってます。

「ソフトバンクグループ株式会社第55回無担保社債」買いませんでした

ソフトバンクグループ株式会社第55回無担保社債(社債間限定同順位特約付)が新規で起発されました。

2019年4月15日(月)から2019年4月25日(木)までの募集でしたが、大人気で完売しました。

f:id:mitove2:20190426032352p:plain

利率は年1.64%、期間は6年、償還日は2025年4月25日満期です。

私は買いませんでした。その時考えたことを書いておこうと思います。

第55回無担保社債の利率は足りない感じ

償還期間が6年で利率が1.64%(年/税引前)です。これまでの無担保社債の新発債の利率と、現在のマイナス金利を合わせて考えると妥当な利率だと思います。

しかし私の投資する側からの気持ちとしては、財務状況を反映する社債の格付けがジャンク債扱い(S&PはBB+)で償還期間が6年と長く、無担保(社債間限定同順位特約付)良くない条件が3つも揃っているので利率は不足していると感じます

無担保(社債間限定同順位特約付)

担保も保証もない

今回の第55回ソフトバンク社債は無担保(社債間限定同順位特約付)です。同じ無担保ですが、過去に起発した社債ではソフトバンクが保証会社になるものもありました。

例えば第46回ソフトバンク株式会社無担保社債1.26%(年/税引き前)はソフトバンクが保証会社になっています。ただし条件によっては解除されます。

ソフトバンクの保証について
ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社は、本社債についてソフトバンク株式会社が負担する元金および利息の支払にかかわる債務につき連帯保証人となり、ソフトバンク株式会社と連帯して債務を負担します。なお、本件連帯保証は、所定の条件が満たされた場合には、確定的に効力を失い、解除されます。詳細につきましては目論見書をご確認ください。

 

償還前の円建て社債は第45回から第55回まで無担保なので、この先も円建てなら無担保社債であることが予想されます。

group.softbank

社債間限定同順位特約付

この条件は、今回の社債は無担保(投資する側に不利)だけど、将来、同じ発行体(ソフトバンク)が担保がある社債を発行したら、遡って同じ担保を今回の無担保社債にも設定する、という投資する側をサポートする条件です。

無担保でこの人気だから、ソフトバンクとしては有担保の社債を発行するメリットがありません。なので、この先、有担保の社債が発行される可能性は低いと思ってます。

もし有担保で社債を起発する時は、有担保じゃないと社債が売れない時、すなわち、ソフトバンクの信用性が著しく低下した時です。投資する側はそうなって欲しくないので、結局は無担保のまま現状維持が望ましいです。

社債間限定同順位特約とは、発行体が同じ複数の無担保社債の間でそれぞれに不利が生じないように付ける特約のことです。たとえば、最初に無担保の社債を発行した後に、同じ発行体から有担保の社債が発行されてしまうと、最初の無担保社債の債権者は、有担保の債権者よりも請求権で劣ってしまうことになります。そのようなことが起こらないように、後に有担保債券を発行する場合には、同等の担保をこれまでの無担保債券にも設定することを定めたものです。

https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/si/J0709.html

不景気時の社債はクッションとしての価値が下がる

この1年で株式の比率を高めました。現在、資産配分(アセットアロケーション)のうち株式が40%で、さらに50%まで増やす予定です。

そうすると、不景気時に株式が下がるタイミングで、その下落を和らげるような、すなわち不景気でも安定した値をキープする、クッションとしての役割を社債には期待しています。

これから6年以内に不景気が来たとしてソフトバンクがどうなるかは私にはわかりませんが、景気がよい時より、不景気のほうが社債のデフォルト(債務不履行)の確率は高くなります

格付け会社によって、JCRはA-で投資適格債、S&PはBB+でジャンク債と、評価の分かれるソフトバンクですが、私は悪い方の条件で考えたいのでソフトバンクはジャンク債と思っています。

格付情報 | 株式・社債について | IR情報 | 企業・IR | ソフトバンクグループ

株式が下がる不景気にこそ、クッションとして頼りたい債券ですが、社債は不景気にこそデフォルト(債務不履行)のリスクが高まってしまいます。ジャンク債は投資適格社債よりデフォルト率は高くなります。

イザという時に頼りたいのに、肝心なときには頼りなくなってしまう感じです。

f:id:mitove2:20180824155852p:plain

まとめ 社債の不景気クッションは頼りない

数年前は株の割合は低かったけど、今は株式の比率を増やしています。そうすると、不景気の株価下落を和らげてくれるような役割を債券クラスの社債には期待します。

しかし不景気では社債、とくにジャンク債はデフォルト(債務不履行)リスクが高まるので、肝心な不景気の時には社債は頼りない感じになります。

デフォルト(債務不履行)の確率は高くありませんが、どの社債がデフォルトするかは誰にもわかりません。

自分の投資では株式の比率が増えているので、社債で余計にリスクを取る必要はないでしょう。

社債自体の利回りやリスクだけでなく、資産全体のバランスを考えた結果、ソフトバンクグループ株式会社第55回無担保社債は買いませんでした。

株式下落のクッションの役割は、現金か個人向け国債がいいなと思っています。