インデックス投資信託の中で全世界株式というタイプがあって、世界の時価総額の比率だと、国内、先進国、新興国の投資割合はだいたい8%、80%、12%です。(2019年時点)
私のアセットアロケーションは、全世界株式に加えて、新興国をオーバーウェイトしています。おおよそ国内、先進国、新興国の投資割合は、10%、70%、20%です。
最近、新興国を増やしたままにするか、全世界株式のみにするか、迷っています。そんな「迷っている頭の中」をまとめました。
- そもそもどうして新興国多め?
- 考えは浅かった(雰囲気)
- 期待リターンとリスクをチェック(重要)
- 新興国も先進国も将来はどうなるかわからない
- 私はどんな投資がしたいのか
- 投資の自動化は暴落時に強い
- 新興国株式から全世界株式にチェンジ!
- 投資信託の乗り換えのタイミング
- 時価総額ベースが最強というわけじゃない
- オーバーウェイトは理由を決めてから
そもそもどうして新興国多め?
長期投資をする時に、最も重要なアセットアロケーション。
一度決めたら、安易に変えないほうが良い、決めたアセアロを守ったほうが良いと言われます。
でも私はアセアロを変えようとしています。
この先、投資方針でフラフラしないように、どうして新興国多めに決めたのか、アセアロを変える前後の考えがどのように変わったのか、振り返りました。
GDP比率の世界経済インデックスファンドが好き
インデックス投資を始めた時、バランスファンドの世界経済インデックスファンド(株式と債券が半々)から積立投資を始めました。
世界経済インデックスファンドは地域別(日本、先進国、新興国)のGDP(国内総生産)総額の比率を参考に決定します。
日本、先進国、新興国の比率は約10%、60%、30%です。
時価総額ベースの、約8%、80%、12%と比べると、GDPベースは先進国少な目、新興国多めです。
バランスファンドから株式のみのインデックス投資信託に変えた時も、気に入っていた世界経済インデックスファンドを参考に、新興国の割合を多めにしました。
効率的フロンティアを参考
期待リターンが同じ程度なら、リスクはなるべく低いほうが、投資成績は良くなるはずです。投資効率が良いことを、効率的フロンティアと言います。
ブロガーミーティングの資料から、効率的フロンティアを参考にしました。
全世界株式(時価総額)よりも3地域均等の方が、期待リターンが高くリスクが低い=効率的フロンティアにより近い、という話を聞き、3地域均等にはしないけど、新興国を多めの比率にしました。
将来の新興国の成長を先取りしたい
GDPの成長率は新興国の方が高いと予想され、私もそう思います。
将来、より成長する新興国の利益を、多めにゲットしたいという下心がありました。
- 新興国のほうが人口増加も経済成長も高そうだから
- 米国投資の流行を感じて、他の人と逆のことが好きだから(ひねくれ者)
考えは浅かった(雰囲気)
当初は、持てる知識と期待を込めて、自分なりに納得して全世界株式(時価総額ベース)に新興国を多めのアセットアロケーションにしました。
しかし今から思えば、私の考えがまだまだ浅かったなと思います。
期待リターンとリスクをチェック(重要)
あらためて、これからアセットアロケーションはどうするか?決めたいと思います。
- 私のアセアロ:全世界+新興国
- 時価総額ベースの全世界:全世界
- 効率的フロンティアの全世界:3地域均等
この3つのアセットアロケーションの期待リターンとリスクはどうなの?、実際に積立投資してみたらどうなるの?
ということで、「東北投信」の「資産形成将来シミュレータ アセロラ!!」でチェックしてみます。
アセアロ | 全世界+新興国 | 全世界 | 3地域均等 |
---|---|---|---|
日本 | 10% | 10% | 33.30% |
先進国 | 70% | 80% | 33.40% |
新興国 | 20% | 10% | 33.30% |
期待リターン | 4.65% | 4.38% | 5.26% |
リスク | 19.12% | 18.94% | 18.84% |
1年間の最大損失 (リターン-リスク×2) |
33.60% | 33.50% | 32.40% |
毎月1万円積立投資 (2003-2018年) |
330.2万円 | 336.2万円 | 305.6万円 |
赤字が良い結果です。
3地域均等は期待リターンが高く、リスクが低くなっており、これが効率的フロンティアってやつです。すばらしい
しかし、積立投資した結果は、全世界(時価総額ベース)が最も利益が大きいです。
もしも、全世界(時価総額ベース)のアセットアロケーションに毎年12万円(1ヶ月1万円)を投資し、2003年から2018年まで運用していると、元本180万円の投資に対し336.2万円に増えます。
先進国、つまりアメリカが好調だったので、先進国の割合が最も高い全世界(時価総額ベース)の投資成績が一番良くなりました。
ただし、あくまでこれは過去の運用結果です。将来が同じになるとは限りません。
この結果から、
- 期待リターンとリスクは参考にはなるけど、将来を確定する数字じゃない
- 全世界(時価総額ベース)に何かを追加したり、手間をかけても、投資成績が良くなるとは限らない
という、私がすぐに忘れてしまう、大事なことがわかりました。
新興国も先進国も将来はどうなるかわからない
数年かけて投資に慣れて、2018年頃から、あらためて長期投資のやり方を考えるようになりました。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)やSBI全世界株式をメインに積立投資をして、そこにeMAXIS Slim新興国株式インデックスをトッピングして新興国オーバーウェイトを続けるかどうか?
投資を始めた頃より知識が増えて、最近はコストが高い新興国の投資信託を、手間とコストをかけてまで追加する意味があるのか、疑問を持つようになりました。
- 新興国の経済成長が新興国の投資に直結するとは限らない
- 新興国の外の国(日本とか)から投資する場合、新興国の相場に連動する指数がなかったり、指数があっても乖離が大きすぎて役立たず。そして為替の影響。
- 新興国の経済成長でより利益を得るのは、グローバルで力のある先進国の企業。親分子分の関係に似てる。
- 新興国インデックス指数は中国、韓国、台湾が多く含まれる。急成長期は終わっているかもしれない。これから急成長するベトナムなどのフロンティア国は新興国インデックス指数には連動しない(かもしれない)
- 新興国の市場の不安定さ、突如の投資規制(特に海外からの投資が規制されやすい)。過度な期待から相場がバブル化する実態の経済との乖離
本やネットで知識が増えると、「新興国の経済成長は期待されてるけど、それがそのまま新興国の株価(≒新興国インデックス指数)がすごい上昇して、新興国の外から投資をする人が利益を得やすい、という意味ではない」と、わかってきました。
しかし一方で、
- この10年で強かった米国の株価も、この後は停滞する
という話をチラホラみかけます。
ジェレミー・シーゲル教授:ノイズを切り離せ – The Financial Pointer
あっちはこう、こっちはこう、と予想はたくさんあるけど、結局、新興国も、先進国も、そして日本も、株価が将来どうなるかなんて、誰にもわからないんだと、しみじみ思いました。
私はどんな投資がしたいのか
みんなの予想は置いといて、私はどんな投資がしたいのか?
最近になってわかってきました、私の投資方針は80%が「めんどくさい」という理由で決まっています。
めんどくさい=手間をかけたくない。シンプルな方法で、ストレスや我慢はなるべく少なく
2018年は海外ETFを買ってみたり、国内、先進国、新興国の投資信託を3種類別々に買ってみたりしましたが、全てめんどくさかったので、全世界株式の投資信託にまとめました。
せっかく全世界株式にまとめたのに、新興国オーバーウェイトなので、新興国の比率を計算して、追加で買うeMAXIS Slim新興国株式インデックスの買付金額を計算しないといけません。めんどくさい。
仕事も育児も生活も、そして遊びも増やしたいので、退屈でワクワク感がないインデックス投資は、なるべく手間をかけずに、放置したい。
給与口座から自動引き落とし&証券口座の定期積立設定で全世界株式を買うと、給与が振り込まれる限り、自動で投資が続きます。
ボタン一つ押す必要もなく、証券口座にログインして評価額をチェックする必要もありません。(でも、1年に1回は、リスク資産の比率はチェックしたほうがよい)
投資の自動化は暴落時に強い
そして、投資を自動化する最大のメリットは相場が暴落の時に発揮されるはずです。
相場が暴落する→市場や皆のメンタルが暗くなって、周囲から資本主義の終わりだと絶望感が漂う
投資が自動化されていないパターン↓
平凡な投資家(自分)は、投資が怖くなって積立を止めちゃう、または、すごい我慢しながら積立を続ける(ストレス)。
このパターンはリーマンショックのときに経験したものです。もうログインもしたくないし、投資に関係することを全て放置したくなります。
投資が自動化されているパターン↓
とりあえず証券口座にログインしないで、投資から距離を置く
でも、給与(入金)振込みが続けば、自動で積立投資が続けられる、忘れて放置しても問題なし。
相場が平和なうちに、暴落に備えてできるだけ投資を自動化をしたいと思ってます。
新興国株式から全世界株式にチェンジ!
世界の相場が将来どうなるかなんてわからない。それなら世界にまるっと投資しちゃおう。
そう決めたはずなのに、新興国の将来の成長に期待して、欲張って下心から新興国多め。
ニュートラルなの?欲張りなの?
こんな曖昧な気持ちでは投資は続けられない、一度気になると止められない、新興国株式から全世界株式に乗り換えることに決めました。
投資信託の乗り換えのタイミング
投資信託は損益がゼロ付近の時に乗り換える、が基本のルールです。
eMAXIS Slim新興国株式インデックスの評価損益がゼロ%近い時に全額売り、余力の現金を使って、同日にeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)を同じ評価額分、買うのが理想。
損益ゼロなので税金が発生せず、保有する評価額を保つことで、将来のリターンにできるだけ売買が影響しないようにしたい、という対応。
が、しかし、現実にはそんなにピッタリなタイミングがありません。(ゆっくり待てる人は待ちましょう)
新興国株式インデックスは上がってきましたが、評価ゼロまでいかず、微妙に評価損をキープ。
乗り換えるんだーと気持ちが盛り上がったので、評価損(23206円)がありましたが、スッパリ売却して、全世界株式に同額で乗り換えました。
今年も余計な売買をしてますね(自戒)。なんとか、年末までの損益通算でプラマイゼロに近づけたい。
時価総額ベースが最強というわけじゃない
話しがグルグルしますが、時価総額ベースがすばらしい、最強な基準、というわけではありません。
インデックス(指数)として広く使われ、運用が安定し、低コストで、手間が少なく、世界にまるっと投資できるイメージに近いからです。
自分の好みと実際に投資する手間から、一番コスパが良さそう、という感想です。
時価総額ベースとGDPベースの違い、そもそも、インデックス指数が全ての経済成長を取り込むことは難しいなど、最近になってようやく理解が追い付いてきました。
オーバーウェイトは理由を決めてから
投資先が新興国に偏っても、米国とか他の国に偏っても、それは本人の自由。
しかし私の場合、フラフラ方針が迷いやすいので、全世界株式から、どこかに投資先を偏らせる(オーバーウェイト)するなら、しっかり理由を決めてからにしよう、と思いました。
この先、もしまた特定の地域や国にオーバーウェイトしたくなったら、あらためて考えて、したらいいねん、と思っています。
2019年現在、保有するインデックス投資信託は、特定口座もつみたてNISAもほとんどが全世界株式(時価総額ベース)になりました。(iDeCoだけはニッセイ外国株式)
まとめると、新興国投資は、私が予想してどうにかなるほど簡単ではなくて、思ったよりハードルが高いので、全世界株式の中で時価総額ぐらいの比率を保有するのが丁度良さそう、という感想です。